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Fantastic Four: The Prodigal Sun

Fantastic Four: The Prodigal Sun (The Prodigal Sun (2019)) (English Edition)

南極のサベッジ・ランドに不時着した宇宙船から現れた謎の人物の報告を受けたファンタスティック・フォーは、超人種族エレメンタルズの力を持ったプロディガルと名乗るその青年と接触する。自らの故郷に帰りたいと願う彼に宇宙船を見せたリードだったが、プロディガルは勝手にそれに乗り込むと宇宙へと飛び立ってしまう。とある事件の真相を知る彼は、正しいことのために自らの星へ帰っていくのだった。

X-Factorで有名なライター、Peter Davidが新キャラクターを手掛けるというのが売りの本作。物語はプロディガルが順にファンタスティック・フォー、シルバーサーファー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと出会っていきながら進む三部構成になっていて、いろんなキャラクターのゲスト出演が楽しめる形式になっている。プロディガルが宇宙人ということもあって絡む先輩ヒーローも宇宙にゆかりのあるメンバーだけど、久々にここにファンタスティック・フォーが入っているのは嬉しい。

結論から言って物語の面白さは一長一短で普通といった感じ。全体的にノリが軽くて話のテンポもいいから読んでてストレスはないし、むしろすっきり読める感じなのは好印象。特に毎回話を途中で遮られて怒ってるプロディガルは面白かった。ここら辺のコメディ寄りの勢いはさすがDavidという感じだ。

ただ個人的に許せないことが一つ。物語後半、王家の跡取りとして力が優れた自分よりも罪を犯した兄を選んだ星の人々にキレたプロディガルが太陽を爆発させて惑星を消滅させるのを、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが黙って見てること。ガーディアンズのリーダーのピーター・クイルは昔権力者に押さえつけられて苦しむ人々を助けるために実の父を敵に回して闘った男だ。そんな彼があくまで民意を唱えただけの人々を虐殺しようとしているプロディガルを放置しておくなんてありえない。作品のトーンからしてここもブラックな笑い話くらいな感覚なんだろうけど、ジョークのためにここまでキャラクターを捻じ曲げちゃうのはだめだと思う。あとは今回タイトルを飾って登場したプロディガルをどう描きたかったのかもよくわからなかった。彼の父親に関する謎なんかも出てきたから今後も登場させる予定なんだろうけど、いかんせんキャラクターの中身がいまいちよくわからないからデビュー作としても微妙な気がする。

とりあえず有名なライターが新キャラクターを出すから読んでみたけど、今回はいまいち。今後プロディガルが他の話にも出てきたらちょっと追ってみるかも。

 

Fantastic Four: The Prodigal Sun (The Prodigal Sun (2019)) (English Edition)

Fantastic Four: The Prodigal Sun (The Prodigal Sun (2019)) (English Edition)

  • 作者:Peter David
  • 出版社/メーカー: Marvel
  • 発売日: 2019/11/06
  • メディア: Kindle