アメコミもぐもぐ

アメコミ好きの大学生が感想を書くブログです。

Strange Academy: First Class

Strange Academy: First Class (Strange Academy (2020-)) (English Edition)

幼いころから魔法の力を使うことが出来た少女エミリー・ブライトは、とある事件から魔法を使うことの代償を学ぶと同時に、魔術師たちが創設した魔法学校ストレンジ・アカデミーに招待される。自身の力について学ぶためアカデミーへの入学を決めたエミリーは個性豊かな生徒たちとともに、マーベル・ユニバースの偉大な魔術師の下で授業を受けることになるが、学園にはまだ秘密があった。

前回がこのブログだと珍しい魔法関連のScarlet Witchの紹介だったから、今回は今魔法系で一番ホットなタイトルだと思うStrange Academyを紹介。Marvelの学園コミックといえばX-MENだけど、魔法学園というのはありそうでなかった設定。ハリー・ポッターやら呪術廻戦やら日本でも有名な作品が山ほどあるジャンルだけど、いかにMarvelらしさを演出するかにも注目だな。

ライターはSkottie Young。もともとはアーティストとして有名で、定期的に出るかわいいヴァリアントカバーはMarvelのコミックを読んでいる人なら一度は店頭で見たことがあるんじゃないかな。ライターとしては最近だとRocket RaccoonやDeadpoolを担当していたな。ただ、正直自分はあまり好きじゃない。というのも、自分がMarvelで一番好きなキャラクターはロケット・ラクーンなんだけど、Youngの書いたRocket Raccoon誌の内容は正直微妙だったんだよね。それだけならいいんだけど、のちにDeadpoolを担当したときにインタビューで、もともと昔からDeadpool誌を書きたかったけど当時は許可が下りなかったからRocket Raccoon誌でやりたかったことをやった、というような発言をしていて本当に嫌になっちゃった。ロケットとデッドプール、共通点はありつつも全く別のキャラクターだと思うんだけど、そこを一緒にされてコメディ一辺倒の話をされてもいい気分はしなかった。だから本作の話もあんまり期待してなかったんだけど、その中身については後述しよう。

アーティストはHumberto Ramos。デフォルメされたカートゥーン調の絵柄が特徴で、数年前のAmazing Spider-ManやChampionsを描いていたのが記憶に新しいかな。リアル調の絵とデフォルメ絵って好みが分かれると思うし自分もどちらかといえばリアルな絵が好きなんだけど、Ramosの絵はキャラクターの表情がわかりやすかったりアクションの構図に迫力があったりして結構お気に入りなアーティストだったりする。特に本作はいろんな種族のキャラクターが出てきてそれぞれがいろんなエフェクトの魔法を使ったりするから派手なページが多くて、彼の技が光るシーンがたくさん見れて楽しかった。

魔法学校というテーマだけならありふれてるけど、本作の一番の特徴はMarvelのコミックだっていうことだと思う。アベンジャーズスパイダーマンが飛び回るおなじみの世界を舞台に話を書くとなれば、当然生徒や教師もおなじみのキャラクターその人や彼らにかかわりがある人物が出てくる。アスガルド人や氷の巨人、中にはマーベル・ユニバース最強の悪の魔術師ドルマムゥの息子、ドイル・ドルマムゥなんて新キャラクターまで出てきて、Marvelだからこそ作れる物語という感じは十分に楽しかった。しかもウィアード・ワールド出身の生徒なんかもいて、今まであまり焦点の当たってなかった場所やキャラクターにもこのタイトルを気に注目が集まったら面白いと思う。

前述のX-MENに限らず、Young AvengersやAvengers Academy、最近ではChampionsなど、Marvelでも十代の子供たちを主人公にした青春ものはいつも一定の人気があるジャンルなので、長いことやっているとだんだん話の中でお約束が生まれてくる。仲の悪いルームメイトやなぜか重大なタイミングで大人に連絡しない子供たちみたいなお決まりの展開は本作でも健在。ここは割と直球な青春ものの雰囲気を感じさせてくれる。

特に恒例の展開といってもいい学園内恋愛は最高。主人公ポジションのエミリーにドイル・ドルマムゥが片思いしてるのがちらちらわかるんだけど、これがとにかくかわいいんだな。エミリーが行くとこどこにでもついていこうとしたり、照れると普段赤く燃えてる顔がピンクになったりするのがめっっっっっっっちゃくちゃかわいい。もう自分もおじさんだから高校生のあまあまな恋愛見るとニコニコが止まらなくなるよね。

こんな感じで基盤の雰囲気や設定はすごく面白かった本作だけど、肝心の物語本編はというとこれもまたなかなか面白い。まだ序盤だからキャラクター紹介がメインになりつつも、しっかり伏線も張られててなかなか面白くなりそう。最初から生徒が魔法を結構自由に使えるから普通に敵をボコっててちょっと見ごたえがなかったけど、ここら辺も後々しっかりからくりが出てきて一気に主人公の立場がぐらつく感じも好き。日常パートでキャラクターの好感度も上げつつ、話も大筋も動かしていくのはいいバランスで面白いし、これからの展開にも期待が持てる。もともとYoung作品はキャラクター性をデフォルメしすぎる風潮があったから既存キャラクターの作品だと人物像に違和感が出てくるんだけど、新キャラクターを使ったわちゃわちゃ学園物語ならいい感じに楽しい話になるよね。好きじゃなかったライターの意外な一面を見れたという意味でも読んで正解だった。

意外と掘り下げられることが少ない魔法系の話の新タイトルということもあって楽しみにはしていたけど、新キャラクターもいっぱい出てかつMarvelおなじみの要素が垣間見えるのも面白いから初心者の読者さんこそ楽しみやすい作品なんじゃないかな。Marvelもそこらへんはわかってるらしくて、いつものペーパーバックより一回り小さいサイズで少し安い本として売ってる。Marvel版ハリポタと聞いて少しでも心が躍る人はぜひ手に取ってみてほしい。

 

Strange Academy: First Class (Strange Academy (2020-)) (English Edition)
 

 

Scarlet Witch by James Robinson

Scarlet Witch by James Robinson: The Complete Collection (Scarlet Witch (2015-2017)) (English Edition)

スカーレット・ウィッチと呼ばれる魔女ワンダ・マキシモフと、その師であり他界していながらも魂として現世に残り続けているアガサ・ハークネスは、この世から魔術の力が衰退しているということに気づく。二人は原因を突き止めるべく世界中を旅することになるが、そこにはワンダの出生の秘密と、別の魔術師の影が落ちていた。

少し前に完結し世界中で話題になったドラマシリーズ、ワンダヴィジョン。アイアンマンやスパイダーマンと違ってこれまで映画の単独作品になったキャラクターでもないのに、どうやらDisney+でも当時の時点で一番見られた作品らしく配信日には各地のサーバーが落ちていたという話を聞くと、Marvelのキャラクターもすごく影響力を持つようになったなと少し感慨深く感じる。個人的にもかなり楽しめた作品だったけど、そこの話はありとあらゆるところで語りつくされていると思うので今はおいておこう。今回紹介するのは、そんなワンダヴィジョンの配信に合わせて再販された、六年前の彼女の個人シリーズの紹介をしたい。

そもそもコミックでのスカーレット・ウィッチというと、なかなか複雑な位置にいるキャラクターになってしまっているのは否めない。X-MENの宿敵マグニートーの娘という生い立ちを持ち弟のクイックシルバーとともに一度はヒーローたちとぶつかるも、のちには改心して父親に反旗をひるがえし、キャプテン・アメリカとともに栄誉あるアベンジャーズの二期メンバーとして歴史に残る活躍を見せている。チーム参加後はホークアイ、ワンダーマン、ヴィジョンと様々な仲間と色恋沙汰があり最終的にはヴィジョンと結婚するに落ち着くも、彼女の能力の強大さゆえに暴走しアベンジャーズ壊滅のきっかけを作ってしまう。さらにその後は再度暴走して世界そのものを改変してしまった挙句、地球上のミュータント遺伝子をほとんど消失させるという大惨事を引き起こしてしまった。それからはしばらく落ち着いたと思っていたら今度は実は彼女の新しい両親が判明し、マグニートーは全くの他人でしたということが判明する。そして能力もミュータント遺伝子由来ではなく、ハイ・エボリューショナリーという人物によって遺伝子を改造されていたことが原因だったということが分かった。

パッと見ればわかってもらえると思うけど、このキャラクターとにかく歴史がややこしいことで有名になっている。前にヒーローもののアメコミは様々なライターが長い歴史の中でキャラクターにいろんな肉付けがされていくことが醍醐味だと思うと書いたことがあったけど、スカーレット・ウィッチに関してはある意味この仕組みの悪い部分が出てしまったといえるだろう。歴史が長い分設定が無駄にややこしくなっていくのはアメコミの問題点だし、一見さんお断り的な風潮が出来てしまっているのも無理はないかな、とも思ってしまう。

もう一つ面倒くさいのは、いつの間にかワンダの印象が暴走してやらかした人、という風になってしまっていることだ。いかんせんBrian Michael BendisのAvengers: DisassembledとHouse of Mの印象が強すぎたせいで、それまでは普通にヒーローとして通っていたはずのワンダもいつの間にかアベンジャーズのやべーやつ的なイメージを植え付けられることになってしまった。これに関しては同じく一時の展開のせいでDV夫代表のような扱いを受けるようになってしまった初代アントマンことハンク・ピムを例に、Marvelsや九十年代のAvengersを担当していたライターKurt Busiekがツイートで意見を述べている。こういう強い印象がキャラクターについてしまうと、誰かがもとに戻そうとしても後任者が必ずといっていいほどまたキャラクターを捻じ曲げてしまう、その結果歴史あるキャラクターが歪んでいってしまうという風な流れで、かつての王道ヒーローとしての風格を取り戻すのが難しいというのもクリエイター側の悩みのようだ。

そんな複雑なポジションにいるキャラクターの約二十年ぶりの、しかも初となるオンゴーイングの個人誌ということもあり、いろんな意味で注目していたシリーズだったのでちょうどドラマの予習もかねて読んでみたけど、そんな本作についていろいろ分けて感想を書いていきたい。

まずアートについて。一番最初に書いておきたいのはカバーを担当するDavid Ajaの絵のすばらしさについて書いておきたい。HawkeyeやImmortal Iron Fistで知られるアーティストだけど、どこか版画のようなシルエットが特徴な絵柄でものすごく素晴らしい構図の一枚絵を描いている。かっこいいや美しいなど、絵を見た時の感想って色々種類があるけど、Ajaの絵を見たときに思うのは間違いなくおしゃれ。毎号毎号カバーを見るたびに思わずうなってしまうような素晴らしいアートを見せてくれるからすごく楽しめた。中身のアートまで担当していたHawkeyeでも、持ち前のおしゃれさに加えてコマ割りも駆使したスタイリッシュな演出が光っていたから興味がある人はぜひ読んでみてほしい。

中身のアートに関しては本作では毎号それぞれ違うアーティストが担当するという形式をとっているので、十五号それぞれで違った雰囲気を楽しむことが出来る。特に本作の物語はワンダが世界の各国を旅しながら大筋の話が進んでいくんだけど、物語中ワンダがいる国に応じて担当アーティストもその国の出身者が担当している場合が多いのが面白い。スペインからはJavier Pulido、フランスからはMarguerite Sauvage、そして日本からはTransformerでおなじみ、座間慧先生が参戦している。アベンジャーズウルヴァリンの映画でも話題になったけど、アメコミにおける日本ってめちゃくちゃな描写が多いんだけど、今回は日本人が描いているだけあってめちゃくちゃ普通なJRの京都駅や任天堂の本社が出てきて逆に違和感を感じてしまった。ともあれいろんな絵柄が見れるから、ずっぷり絵の雰囲気にハマることはなくても毎回飽きずに読めて楽しかったな。

さて本題の物語についてだけど、ライターのRobinsonはスカーレット・ウィッチというキャラクターを作り直そうとしているというのは一番強く感じた。長年の連載の中でややこしくなってしまった彼女のオリジンを仕切り直し、大勢いるアベンジャーズの一人としての役割しか与えられてこなかった彼女に個人で動く目的を与え、これまで彼女にいなかった宿敵を作って、ワンダが個人の物語を紡いでいく下準備に尽力した作品だったといえるだろう。ワンダの両親が新たに明らかになり伏線もまかれたことで、今までのややこしい話は忘れてリセットされた彼女の生い立ちに関する謎が新しい話の根幹になっているし、エメラルド・ウォーロックという新たな敵や魔術師と色の奇妙なつながりという新しい設定も出てきたから、Marvelの魔法世界そのものを広げるきっかけにもなるだろう。

ただこの作品が上手くできなかったのは、話のタネをまくだけでそれをうまく育てられなかったことだ。全十五号というのを長いとみるか短いとみるかは人それぞれだけど、最終話の一話手前でワンダの父親に関する謎が明かされるという回収する気のない伏線だったり、最終話でエメラルド・ウォーロックが復活して、いわゆる打ち切り漫画の俺たちの闘いはこれからだエンドみたいな終わり方をしてしまっているのはとにかくもったいないの一言に尽きる。スカーレット・ウィッチを再構築しようとしたものの、うやむやのまま終わってしまった作品となってしまった。

ただ個人的にはドラマでもおなじみだったアガサ・ハークネスとワンダの辛みが意外と好きで楽しく読めたりしたんだよね。MCUではバチバチの敵同士だったのにコミックではほとんどバディものっていうくらい仲が良かったから結構驚いたけど、このコンビもまたほかの場所で見られればいいな。

微妙なところで終わってしまった本作だけど、ワンダの設定を仕切り直しただけではなく、キャラクターのこれからの成長につながる伏線や敵が出てくるだけあって、スカーレット・ウィッチを語るうえでは外せない作品になっていくんじゃないかな。ワンダの父親がだれか、エメラルド・ウォーロックと彼女がどんな闘いを繰り広げるのかはもちろん、色と魔術師の強いつながりも明かされたから、Marvelの魔法キャラクターを集めてグリーン・ランタンみたいなことしても面白そうだな。昔書かれた話を別の作家が深めていくのもアメコミの第五位だと思てるから、今後誰かが本作の伏線を拾ってまたワンダの物語を広げるときが来るまで気長に待ちたいな。

 

 

Daredevil by Chip Zdarsky Vol. 5: Truth/Dare

Daredevil by Chip Zdarsky Vol. 5

デアデビルが殺人の罪を認めて自首した。ヒーローが消え新たな脅威が現れたニューヨークで、残された人々は悪に立ち向かう方法、各々の正義を探して翻弄されていく。しかしそれでも、街はやはりデアデビルを必要としていた。

今回は以前から紹介してきたZdarskyのDaredevilの最新刊の紹介。かなり久々の更新になってしまったけれど、最近少し忙しかったのと、なんといってもずっとBendisのDaredevilのオムニバスを読んでるからなかなか記事が書けないんだよね。ほかのコミックも同時進行でちまちま読んでるからなんとか記事も書いていきたいけど、とにかくオムニバスが読み終わるまではなかなか更新頻度も下がってしまうかも。ついでにだけど、ここ最近の記事のデアデビル率の高さもちょっと気になるかな。いかんせん去年の今頃から自分がデアデビルにドはまりしてるせいで、どうしてもそうなっちゃうんだよなあ。個人が趣味で好きなこと書いてるブログだから許してくださいねとは思いつつ、やっぱりいろんなコミックの話もしたいからそこもうまく調節していきます。

前巻のVol. 4でデアデビルに復帰はしたものの、以前に犯した罪を償うために警察に自ら出頭したマット。本作はそんなマットが裁判を待つ間、自分がいなくなる街を支えるために奮闘する姿が描かれる。

まず思ったのは、このシリーズって地に足がついた社会派な話はしつつも、やっぱりマーベル・ユニバースだけあって設定背景は結構ファンタジーなんだな、ということ。というのも今回逮捕されたデアデビルだけど、周りの人に危害が及ぶという特例でマット・マードックとしてではなく、あくまでデアデビルとして逮捕されることになる。法廷でも刑務所でも一切マスクは脱がないし、中身が誰かも知らない状況で裁判をやってるの、なかなかシュールだよね。そんなの別人にコスチュームだけ着せれば簡単に偽装できるじゃんとかいろいろ突っ込みはあるけど、これまでもあり得ない人数の警官が寝返ってギャングの味方してたり、割とフィクションならではの描写もあったなと今になって改めて感じる。リアルじゃないと否定的に思う人もいるかもしれないけど、現実のルールとヒーロー世界のルールをうまく照らし合わせて、フィクションとしての派手さやご都合はしっかりかなえつつ、現実にも当てはまるようなメッセージを物語に込めているという意味ではこれも一つの手腕だと思うな。

自分がいない間ヘルズ・キッチンに危険が及ばないようあの手この手を尽くすマットだけど、ここのあたふた具合もデアデビルらしくて面白かった。前巻と今回のラストがなかなか大きな展開だったからその間の小休止的な役割が強いんだろうけど、しっかりやるべきことはやりつつ伏線も張ってるのがよくわかる。ストロムウィン家の脅威が迫る中で今マットが一番やらなければならないことは街の土地を彼らの買収から守ることで、そのために大富豪のアイアンマンに掛け合ったりと、話が地味にならないようにしながら納得のいく展開をしているのはさすがのライティング。ここの二人の会話もなかなか深くて、富裕層のトップにいながら宇宙規模の敵とやりあっているアイアンマンと、普通の市民の目線で犯罪と闘うデアデビルの視点の違いがよく出ていると思う。

ただ、本作で一番の注目ポイントは間違いなくラスト。再びマットの前に現れたエレクトラが彼の後を継ぎ、デアデビルとなるシーンだ。マットが獄中にいる間もなんとかマットを支えて彼の協力を得たいエレクトラと、自分を裏切り人を殺す彼女を信用しないマット。キャラクターの歴史の中で常に微妙にすれ違ってきた二人だけど、そんなエレクトラが偶然出会った街のホームレスの女性から、かつて自分を助けてくれた弁護士の話を聞いて心を決める。死んだ夫の保険金を払わなかった企業と闘うために、無料で自分を助けてくれた弁護士がいたこと。そんな彼でも、企業が雇った弁護士の軍団にはかなわなかったこと。そして敗訴の後も、彼は女性に大金を援助し、聖書の言葉を引用してあきらめるなと励ましたこと。そんな言葉を聞いてエレクトラは街にやさしさと力を兼ね備えた存在が必要だと気付かされ、マットの仕事を引き継ぐ。たった二ページの、しかもデアデビル本人は登場していないシーンで、法だけでは救えない人々がいること、そんな人たちを守るためにやさしさが必要なこと、その二つを両立するのがデアデビルだったのだとまとめるこのシーン、本当にいい場面だった。もしかしたら今までのDaredevilのコミックで一番好きかもしれない。これまでZdarskyが描いてきたものを、エレクトラが学ぶという形で再び読者に訴えかける名シーンだ。

そもそもエレクトラというキャラクターが、マットと同じく父を亡くして社会の闇に気づくというオリジンを持ちながら彼とは正反対の方向に堕ちてしまったという背景の人物だし、Frank Millerはそんな彼女をデアデビルが必死に救おうとする闘いを描いてきたけど、そんな彼女が数十年越しでついにマットの目指した目標のために彼と同じ道に進むというのもすごくエモい。ついに彼女の魂が救われたんだなと思う一方、逆にデアデビルを継げるのはやっぱりエレクトラだけとも思うな。

もうこのシリーズも五巻だけど、風呂敷をたたむどころかもっと話が広がって展開が読めなくなってきているのがすごい。今自分の中で一番面白いシリーズなだけあって、本当に期待を裏切らない作品だ。次はKing in Blackのクロスオーバーもあり、エレクトラの活躍ももっと見れると思うので今から待ちきれないな。

 

Daredevil by Chip Zdarsky Vol. 5

Daredevil by Chip Zdarsky Vol. 5

  • 作者:Zdarsky, Chip
  • 発売日: 2021/03/02
  • メディア: ペーパーバック
 

 

Daredevil: Wake Up

Daredevil: Wake Up (Daredevil (1998-2011)) (English Edition)

デイリー・ビューグルに務める新聞記者ベン・ユーリックは、父親の失踪と同時に何かにおびえ言葉を話せなくなってしまった少年ティミーの記事を描くために病院へ取材に訪れていた。正体不明の何か、そしてヒーローであるはずのデアデビルにおびえる彼の秘密を解き明かすため奔走するベンだったが、社の編集長であるジェイムソンはより人気を集める記事を書けと言い、取材に訪れた警官もベンやティミーのことを相手にしない。何を隠そう、消えた彼の父はリープ・フロッグ、ニューヨークのB級ヴィランだったのだ。

Daredevilの決定的名作として名高いのはこのブログでも紹介したFrank Millerによるランだろう。しかし、その次に来る、もしくは同等に並ぶほど高い評価を受けているのがMarvel Knightsレーベルで連載されたBrian Michael Bendisによる作品だ。去年のはじめにデアデビルにハマってからこの二作は絶対読もうと決めていたけど、ついにBendisのランをまとめたオムニバスを購入したのでちまちま紹介していきたい。それにしても本作、オムニバスで二巻もあるんですよ。今までオムニバス自体は何度か読んでいるけどあの量でかつ二作とは、まさに圧巻のボリューム。

ライターは前述のとおりBrian Michael Bendis、アーティストはParts of a Holeでも紹介した水彩画のリアルなタッチが特徴のDavid Mackがメインで勤め、ティミー少年の妄想のシーンのみGuardian DevilやFatherを担当したJoe Quesadaが担当している。この二人、前者は非常に写実的で後者はデフォルメが効いたカートゥーンっぽい絵を描くととても対照的なコンビだけど、この違いが作品に活かされていてすごく面白いんだよね。本作で起きる事件は宇宙人がせめて来たり世界征服を企む悪者が出てきたりするわけではなく、家族の中で起きたあくまで地に足の着いたトラブルだ。そんな出来事がリアルな画風で描かれる一方、何かを心に背負ったティミー少年が抱く自分がヒーローになる妄想はQuesadaのコミカルな絵で描かれる。現実と非現実の対比を物語だけでなく、しっかり視覚に訴えて伝えてくるのがすごく説得力がある。ありそうでなかなか見ない演出だからすごく面白かった。

Bendisのランはかなり長い続き物なんだけど、本作はDaredevil誌の#16-19の話で、本格的に彼のランが始まるのはこの後長期的にコンビで担当することになるアーティストのAlex Maleevと組んだ#26から。本作はBendisの作品でありながらその後の続きとはほぼ関係ない独立した物語として楽しむことが出来る。

本作はデアデビルのコミックではあるものの、主人公はデアデビルではなくベン・ユーリック。作中で起きる事件もデアデビルの闘いではなく、あくまでベンの記者としての地味とも思える活動に焦点が当たる。冒頭にも書いたようにその事件というのがマイナーなヴィランの子供にまつわることなんだけど、この設定もなかなかBendisっぽいテーマだと思う。ヒーローやヴィランだけではなく、彼らに影響を受ける社会やその住人に注目するのが彼の作品の面白いところだ。Moon Knightの記事を書いたときも触れたけど、Bendisが書く会話って妙に間延びしてたり中身がなかったりするんだよね。それが好きかは人によると思うけど、自分はこのライティングこそがキャラクターに人間味を与えて世界観をリアルにしてると思ってる。なんだかんだ言ってこういう社会派な作品とはすごく相性がいいと思う。

ベン・ユーリックというキャラクターは決して超人ではなく、特別な力も自信も強い精神も持っていない。善良な市民でも凶悪な組織や殺し屋に脅されれば立ち上がれなくなってしまうのが普通、そんな立場の男だ。これまでも彼はエレクトラには刺され、キングピンには脅され、何度もひどい目にあってきた。そのうえ彼の上司はジョン・ジョナ・ジェイムソン。デアデビルの正体を知りヒーローに信頼を置いているベンはヒーロー嫌いのJJJと何度も対立し、さらには彼が社会のためと思って書いた記事も売れないと判断されればすぐ没にされてしまう。

それでもベンはデアデビルに協力しながら、社会の闇に日の光を浴びせる道を選んだ。テレビがメディアの大御所となった時代に新聞記者としてベンが働き続けるのは、ペンを武器にすれば誰も目を向けないような不条理な世界や不幸を公にできるからだ。どんなに脅されて、殺されかけても、ベンは最後には自身の道で悪と闘うことを選ぶ。彼はスーパーヒーローではないかもしれないが、この気持ちはヒーローの志そのものなんじゃないだろうか。最後に明らかになる事件の全容も、立ち上がる勇気の大切さを教えてくれるだろう。

入社したばかりの新人だったBendisに主人公がほとんど登場しないコミックを書かせた当時のMarvelの姿勢もなかなか挑戦的だけど、そんなアグレッシブなMarvel Knightsブランドだからこそ生まれたであろう今にも続くBendis作品の面白さ、そしてDaredevilの魅力を詰め込んだ作品、まさにこんなデアデビルのコミックが読みたかったと思わせられる名作だろう。

 

Daredevil: Wake Up (Daredevil (1998-2011)) (English Edition)

Daredevil: Wake Up (Daredevil (1998-2011)) (English Edition)

 

 

Daredevil: Father

Daredevil: Father (English Edition)

デアデビルことマット・マードックは自身が失明する前、過去に見た光景を悪夢としてみることに悩まされていた。そんなある日、彼の法律事務所に末期がん患者である既婚女性マギー・ファレルがやってくる。彼女と夫のショーンはマギーのがんが近所の工場の廃棄物による影響だと主張し裁判を起こそうとしていたが、マットはなぜか初対面のショーンに見覚えを感じるのだった。そのころヘルズ・キッチンでは正体不明のシリアルキラーによる殺人事件が発生。被害者を殺した後目をえぐり取る犯人はジョニー・ソケットと呼ばれ、街を騒がせることなる。同時に街に新たに表れたヒーロー集団サンテリアンズや実業家のネロへの注目など次々と事件が起こるヘルズ・キッチンで、デアデビルは殺人事件を止められるのか。

ちまちまとJoe QuesadaによるDaredevil誌のオムニバスを紹介してきたけど、Guardian Devil、Parts of a Holeときて最後に収録されているのが本作Father。ミステリー短編として書かれた作品だからそれまでの二作と比べて独立性は高いけど、これがかなり面白い作品だった。

題名のFatherだけど、マットの父親といえばご存知ジャック・マードック。落ち目のボクサーだった彼は生活のために犯罪組織の下っ端として働いていたが、最後に誇りを捨てきれずに持ち掛けられた八百長試合を放棄して報復に殺されてしまう。ジャックの死がデアデビル誕生のきっかけになったことは言うまでもない。こういう親、親戚の死をきっかけに正義に目覚めるヒーローというとスパイダーマンバットマンなど、結構メジャーなキャラクターもいるから悪く言えばありきたりな設定に思えるけど、実はジャックはほかのキャラクターとは全く違うところがある。

トーマス・ウェインやマーサ・ウェイン、ベンおじさんは主人公のお手本となるような善良な人間だった。いや実はバットマンスパイダーマンもそんなに詳しくないからもしかしたら「ベンおじさんは超悪人だった!」みたいな展開があったりするのかもしれないし、実際トーマス・ウェインが悪者になってるみたいなことも話半分では聞いたこともあるんだけど、少なくとも彼らが死んだときのブルース少年やピーターにとってはトーマスやベンはいい親だったはずだ。だからこそ彼らはそんな悲劇を二度と起こさぬよう、迷いなくヒーローになる道を選んだ。

しかし、ジャック・マードックという人間は決して善良な市民ではなかったし、幼きマットにとっても決して心から誇れる父親ではなかったというのが彼の面白いところだ。彼の経歴に汚点があるのは言わずもがな、ジャックは自身の言いつけを守らなかったマットを殴ったことさえあった。もちろんマットは父親を尊敬していたし誇りを持ったボクサーだと思っている。しかしそんな父親でも道を誤ったからこそ彼はだれもが従うべきルールが必要だと思い、マットは法律を学ぶ道を選ぶ。それと同時に誇り高き父親の死からあきらめない魂を学び、ヒーローとなり闘うことを志したのだ。こんなオリジンを持つデアデビルだからこそ、正義感だけではなく人間の醜い部分も持った複雑なキャラクターとして完成しているんだと思う。ジャックの善悪のまじりあった複雑な人間性デアデビルという作品そのものに反映されている、といっても過言ではない。

本作には多くのキャラクターが登場するが、その多くが過去の父親との因縁を引きずって生きている。そんな中発生した殺人事件の推理が進みながら、彼らが父親から受けた影響についての秘密も明らかになっていくというのが本作のシナリオだ。かなりがっつりなミステリーだからネタバレは控えるけど、この作品が面白いのは単純に意外な犯人がわかっていくだけではなく、その動機にまた大きなどんでん返しがあるからだ。犯人の動機はまさにデアデビルというキャラクターの根底にかかわる事件がきっかけになっているが、ミステリーの手法でデアデビルの核心に迫っていく物語はまさに圧巻だ。

ジャック・マードックは完全な善人ではないし、マットのお手本になるような人間では決してなかった。しかし、それでもマットは父親の中に眠る善の心を見逃すことはなかった。この物語は父が子に与える影響の大きさを様々な視点から描きながら、改めてジャック・マードックの心の小さな善がヒーローを生んだことを知らさせてくれる物語だと思う。デアデビルの描く話として完成していながら極上のミステリーを楽しませてくれる素晴らしい作品だ。

 

Daredevil: Father (English Edition)

Daredevil: Father (English Edition)

 

 

Thor by Donny Cates Vol. 1: The Devourer King

Thor by Donny Cates Vol. 1: The Devourer King (Thor (2020-)) (English Edition)

アスガルドの王であり自身の父だったオーディンの死をきっかけにソーは彼の全能の力と王座を受け継ぐこととなるが、今までとは全く違う新たな立場にソー自身も不安を感じていた。そんな中迎えた王への就任式の日、彼は新たな王としての第一歩を踏み出そうとするが、突如空から現れたギャラクタスによってアスガルドは混沌に陥ることになる。

説明不要の売れっ子ライター、Donny Catesが次に新しく手掛けるのがこのThor。名作として名高いJason Aaronの後釜ということもあって発表時はかなり話題になっていたけど、まずのVol. 1はそんな期待に応えてくれる作品になっていた。

アーティストはNic Klein、初めて見たアーティストだけどすごくかっこいい絵を描く人だな。宇宙を舞台にした神々の闘いともあって壮大な戦闘シーンが多いけど、見開きなんかもすごく迫力があって本作にピッタリの人選だと思う。あとは人の顔が出るときのの目力がすごい。シリアスな表情を描いたときのカッコよさもピカイチだ。

Catesの新作とあればとりあえず手に取っちゃうんだけど、このソーというキャラクターがCatesのライティングと相性抜群なんだよね。Donny Catesの面白さといえば厨二病チックなモノローグで語られる壮大な展開だけど、ソー自身が悠久の時を生きる神だから本当にライティングが映える。特に#3にてソーがベータ・レイ・ビルと闘う前、かつてソーが二年間闘い続けた戦争について語られるシーンがあるけど、まさに人間の常識とかけ離れた彼の生きる世界を美しく描いたシーンだと思う。Donny Catesがどんな話を書くのか知りたい人はまずこの#3だけ読んでみても面白いかも。

あとはアスガルドの神々という新しいおもちゃをもらえたおかげでCatesの暴れっぷりがいい感じに暴走していて楽しいな。もともとめちゃくちゃ強かったソーがオーディンの力を受け継いでさらに強くなってるのに、そこから今度はギャラクタスのパワー・コズミックまでもらいましたなんて小学生が考えた超サイヤ人5みたいなことを本気でするのがCatesのすごいところ。異常に強いソーが暴れまくってるだけで最高に面白い。#2では勝手にDCユニバースを滅亡させたり、とにかく使えるおもちゃは全部使ってめちゃくちゃなことをするのがすごく気持ちいいな。

なかなか衝撃的なエンディングで終わる本作だけど、実はこの作品は今までのCates作品と直接つながってる話だったりする。彼が最初にMarvelで手掛けた作品であるThanos Winsから徐々に明かされているサノスの計画だけど、Guardians of the Galaxyのラストで彼の目標、というか彼が作り出す未来のゴールがサノス自身がデス、つまり死そのものになることであるというのが明かされた。そして今回のラストでまたとんでもない絵面が出てくるけど、本当にCatesはこれから何をする気なんだっていう感想しか出てこないな。今はVenom関連で盛り上がりが持ってかれてるけど、しばらくしたらまたサノス関連ででかいイベントが来たりするのかな、とにかく今後が楽しみだ。

 

Thor by Donny Cates Vol. 1: The Devourer King (Thor (2020-)) (English Edition)
 

 

Daredevil: Parts of a Hole

Marvel Knights Daredevil by Mack & Quesada: Parts of a Hole

元恋人カレン・ペイジと死別し、虚無に打ちひしがれていたマット・マードック。気分を入れ替え再出発を図るために親友フォギーと弁護士事務所を新たに設立した彼だったが、最初の依頼人は思ってもいないタイミングで訪れた。キングピンの秘密を知るという依頼人を保護するため動き出した彼らだが、突如窓を突き破った凶弾に依頼人が倒れてしまう。

前回のGuardian Devilに引き続き、Marvel KnightsのDaredevil誌の紹介。ライターは一新してDavid Mackが務めている。彼はどちらかというと水彩画の独特なスタイルが特徴のアーティストとしての方が有名だと思うし、彼がライティングを担当している作品は割とレアな気がする。本作のカバーはすべてMack自身が担当しているから、絵の技術の一端も楽しむことが出来るだろう。アーティストは引き続きJoe Quesada。やっぱり戦闘シーンはめちゃくちゃかっこいい。この人はデアデビルとかスパイダーマンみたいな、アクロバットで闘うキャラクターのポージングがめちゃくちゃうまいからまさに大当たりな人選だ。相変わらず表情があんまり好きじゃないから、マスクオフの会話シーンとかになると途端に質が落ちるのは残念。

本作がファンの間で結構有名なのは、のちにNew Avengersなどで登場するエコーの初登場エピソードだからだと思う。最近だとホークアイのドラマにも出演が決まったんだとか。Marvelのネイティブ・アメリカンのキャラクターの中でも結構メジャーどころっていうこともあってなかなか焦点が当たるタイミングが多くなってきているから、このタイミングでオリジンを知れたのは嬉しいかな。有色人種の中でもあまり多くのヒーローがいるとは言えないけど、少し前にはエコーやニュー・ミュータンツのダニ・ムーンスターを筆頭にネイティブ・アメリカンのキャラクターたちに注目したMarvel's Voices: Indigenous Voicesなんてコミックも出てたから、今後ももっと露出の機会が増えていけばうれしいな。ただ自分が前にエコーを見たのがBendisのMoon Knightで殺されてるところだったから、初登場と死亡シーンだけまともに読んだキャラクターというなんとも言えないポジションではある。

話を戻して本作の物語について話すと、まあつまらなくもないけど特筆するほど面白いかといわれると返答に困るようなそんな作品。いいところを言えばまさしく前述したエコーというキャラクターで、幼少期に父が殺されたことがきっかけで闘いの道を選ぶというオリジンや難聴という障害を持っているなど、全体的にデアデビルと被る部分が多いのが話の肝になっている。同じ境遇に生まれ同じ悩みを抱えた彼らが心を通わせながら、すれ違いによって闘わなければならない苦しみがなんともハードに描かれているのはなかなか読みごたえがあった。これはのちのライターの仕事も大きいけど、同じくデアデビルと似たオリジンでのちにマットと恋仲になったエレクトラとも、一方は簡単に人も殺すヴィラン一歩手前、もう一方はアベンジャーだったこともあるヒーローとがっちり差別化できてるのもいいかな。

よくなかったところというと、まず時系列的な意味でのこの話のタイミング。これの一個前のGuardian Devilでカレン・ペイジが殺されてて、今ちょうどその経験が尾ひれ引いてるっていうタイミングで急に新恋人出しちゃうの、読者の気持ち的にもマットの心情描写的にもさすがにどうなの。しかも全くカレンに触れないというわけではなく、前半はしっかりマットも落ち込んでたりするから新しい女を前に急に心変わりしたように見えるし。前作がKevin Smithのライティングのおかげで死の扱いにめちゃくちゃ感動する話だったから、余計にこの話でのカレンの忘れ方が気になった。

あとはキャラクターの行動が全体的に浅いかな。前半でデアデビルを倒すための秘密兵器としてエコーを利用しマットを破滅させようとする計画をキングピンが企んでいることがわかるけど、ふたを開けてみれば単純に二人を闘わせようというだけで、特に深い陰謀ではないんだよね。近しい二人をまず仲良くさせてから闘わせようということだとは思うんだけど、それで実際マットがものすごく落ち込んだかといえばそんなことはなく、何なら途中で昔カレンが出演していたポルノを見つけた時の方がショックを受けてるような気もするくらい。Born Againなんかで見せた狡猾で隙のないキングピンと比べるとやっぱりしょぼく感じちゃうのは事実かな。

物語としては普通だけど、やっぱりエコーの初登場としては読んでおいて損はないかな。Guardian Devilと比べてもアクション多めでQuesadaの絵のかっこいいところもしっかり見れるから見ごたえもあるし結構楽しめる作品ではあるけど、もう少し物語に深みが欲しいというのが総括かな。

 

Marvel Knights Daredevil by Mack & Quesada: Parts of a Hole

Marvel Knights Daredevil by Mack & Quesada: Parts of a Hole